歌うときのなんか演じてる感じって不思議だな、とアニソンを聞きながら思う概念
人によるとは思いますが、歌うことって基本的にはなかなか恥ずかしいことなんじゃないかと思います。
私も断然恥ずかしい派なんですが、その恥ずかしさの要因を占めるものとして、まぁそもそも歌の上手い/下手以前に、なんか普段の自分と違う感じ、というか無駄にかっこつけてるんじゃないか、とかその歌の元々の歌手を少し意識して歌ってるんじゃないか、とかそんな気持ちが恥ずかしくさせる要因の一つとしてあるんじゃないかと思います。
この演じてる感じ、が私は歌うときにすごく恥ずかしいと思う次第なんですけれども、多くの人は自分のオリジナルソングなんて持っていませんから、ほとんどの歌にはその元となる「正しい」歌い方があり、歌う際にはその「正しさ」を意識しないことなんて不可能だと思います。
もちろん上手い/下手によってその再現度合いは異なりますが、何かしら元の「正しさ」についての演技的アプローチっていうのはそれに倣う/倣わない関わらず発生すると思うわけです。
そしてそれはもしかしたら自分のオリジナル曲を持っていたとしても、その「歌い方」自体は、過去の「歌い方」からは逃れられないのかも知れません。(大体誰の影響があるかって分かる歌手も多いですよね)
で、まぁ話は大きく変わって私は好んでアニソンをよく聞きます。
実在しない歌手
アニソンの定義として、とりあえずここではアニメのオープニングやエンディングでかかっている曲、もしくはその関連曲というふうにします。
そしてその種類としてはこれもまぁおおざっぱに分けると以下の種類になるかと思います。
- タイアップ
- 声優曲(声優名義)
- 声優曲(キャラクター名義)
タイアップはそのままですけど、アニメ作品とタイアップする形で曲を提供しているものですね、これはアニメと全然関係なさげなものが選ばれることもありますし、アニメのために明らかに作成したものも多いです。
昔は圧倒的に後者が多かったと思いますが、最近はCDの広報装置としてアニメの効果が高まっているせいか、アニメと関係ある?って感じのアーティストも良く出していますね。
次に声優曲(声優名義)は、ほとんどがそのアニメにも出演している声優さんの曲なんですけれど、名義がその声優名でクレジットされているものです。水樹奈々さんとか、坂本真綾さんとか有名ですよね。
そんで最後の声優曲(キャラクター名義)なんですけれども、私が一番好んで聞くのはこのジャンルになります。
最初のほうに歌と演じるってことについてつまらないことをたらたらと書いていましたが、タイアップはそもそもとして、声優曲(声優名義)も基本的にはアーティストはアーティストとしての自分自身を演じています。
時にはその曲用に割りと変わった歌い方をする人もいるかと思いますが、それもあくまで本人のバリエーションの一つとしてであり、基本的には自分自身を演じているわけです。
その点声優曲(キャラクター名義)は、歌手自体はキャラクターを演じている声優さんなんですけれども、名義はあくまでもアニメに登場するキャラクターですので、基本的にはキャラクターを演じつつ歌う必要があります。
しかもそのキャラクター自体も最初のほうに書いた過去の「歌い方」の呪縛からは逃れられませんので、2重の意味での「演技」が必要になるわけです。
例えば、『日常』というアニメの登場キャラクターである水上麻衣(Cv.富樫美鈴)の「麻衣の阿弥陀如来」っていう曲なんですけれども、
これはあたり前ですが、声優の富樫美鈴さんが、キャラクターである水上麻衣を演じながら歌っています。
おそらく富樫美鈴さんは実際にカラオケに行ってもこんな歌い方はしない(んじゃないか)と思います。
あくまでキャラクターである水上麻衣の歌い方というものを意識してこういうふうになっていると感じるわけです。
しかし、一方で私はこれを聞いた時に「カヒミ・カリィ、相対性理論っぽい」とも思いました。
PV カヒミ・カリィ ハミングが聞こえる - YouTube
つまり、キャラクターとしては水上麻衣を演じつつも、その演じている水上麻衣の歌い方は過去のカヒミ・カリィや相対性理論を参照していると感じたわけです。
これってなんかすごく不思議な感じがするんですが、どうですかね。まぁこの不思議な感じをどうにか言葉にしたくてアニソン聞いてるわけなんですけれども、今日は少し長くなってしまったのでまた機会があれば書きたいと思います。
お疲れ様です。